自作問題の解答と解説(たまに科学に関するブログ)

基本的に自作問題の解答と解説を投稿し、たまに、科学に関するようなブログを投稿します。

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化学 問題No.2の回答&解説

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 今回の問題は前回に引き続き、理論化学から出題しました。多分ここも苦手な人が多いと思います。なんていったって、化学平衡とか思考問題のオンパレードですからね。ただ、化学を暗記して行って点数を稼いでいるわけではなく、逆に、計算問題が出た方が助かるっていう人にとっては簡単だったかもしれません。あと、センターの最後あたりにでる問題で、ビニロンとかあるじゃないですか。っていうかあるんですけど、正直、化学平衡の方が簡単ですよ...

 さて、今回も解説の前に問題と解答を公開しますね。

解答

[#化学]#問題 No.2  アンモニア水中では、以下のような電離平衡が成立している。水のイオン積を1.00×10^14(mol/L)^2で、アンモニアの電離度>1とし、log2=0.30、log3=0.48としたとき、8.00mol/Lのアンモニア水の㏗を求めよ。

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https://twitter.com/bot75098033/status/1391679412987301892

という問題でしたね。そしてこの解答は

pH=12.1

となります。

解説

 では解説をしてきますね。まずこの問題の有効数字は、No.1でも言った通り、測定値の中で一番桁数が少ない桁数を探し、それを有効数字の桁数とするので、3桁となります。なので答えは3桁で答えるのが正解です。

 さて、今回の問題でのpHの求め方を解説していきます。

 まずpHってどのように求めるか確認していきましょう。化学基礎でのpHの求め方は、酸性の場合、10^-n(mol/L)のnの数字がpHでしたよね(10^-3だったらpHは3となる)。塩基性の場合、14から10^-n(mol/l)のnの数字をひいた値がpH、もしくは、10^-14((mol/L)^2)を10^-n(mol/L)で割った値10^-m(mol/L)のmの数字がpHでしたよね(10^-3だったらpHは11となる)。でもこれらは、電離度が1の場合であって、実は、弱酸性や弱塩基性であれば電離度αは0>α>1であり、pHの求め方は濃度に電離度を掛けた値にlogで計算するのである。...え、まって電離度ってなに?っていう疑問が出ると思いますので電離度から説明します。

 電離度というものは簡単に言えば、酸塩基において、水に溶けたときに、どのぐらいイオン化して分離するのか(例えばCOOHだったら、COO^-とH^+に分かれますよね。そして、電離度が0.2だったら、100個のCOOHを水に溶かした時に、80個のCOOHとそれぞれ20個のCOO^-とH^+になります。図-1)そして、電離度が1に近づけば、近づくほどイオン化して、分離されやすく、また、電離度が1になれば強酸や強塩基である。逆に、電離度が0に近づけば近づくほどイオン化しにくく、分離されにくい、また、1未満が弱酸や弱塩基になると言うものです。

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図ー1



 電離度についてはなんとなくわかったけど、なんで濃度に電離度かけるのか?っていう疑問が出る人には出るでしょう。でも先ほどの電離度の文をよめばわかる人は分かると思いますが、念のため、説明します。

 電離度というのは「酸塩基において、水に溶けたときに、どのぐらいイオン化して分離するのか」でしたね。またその例から考えると、100個の分子から実際に分離した各々の個数で割って出た値が電離度となりますね(つまり、電離度はほぼ割合みたいなもの)。しかも、H^+の濃度やOH^-の濃度に関しては分離した後のイオンなので、電離度に関与すると考えられますね。つまり、弱酸性や弱塩基性の液体の濃度はそのままH^+やOH^-の濃度として計算できなくて、その計算方法は、電離度を掛けることによって成り立つことがわかるはずです(ほら、1000円の20%OFFとかいうセールありますよね?それでどのぐらい金額が減ってるのか計算するときに、1000円に20%、すなわち、0.2かけてどのぐらい減ってるのかがわかりますよね。電離度もそれと同じことです。)。

 じゃあなぜlogなのか?それは単純に、水素イオンのモル濃度が10^-n、すなわち、0.000・・・1みたいな世界ですのでこのままだと表記しにくいです。なのでlogによって、わざわざ10^-nのような表記をしなくてすみますので。ちなみにここでのlogは底を10としていて、その10は省略してます。これはツイッターでも同じようにしていて、その説明もそっちの方にのっけているため、それを参照に。

 でも、今回の場合電離度は分かっていません。わかっているのはKb、すなわち、平衡定数ですね。しかし、この平衡定数から求めることが出来るのは知っていると思います。しかし、忘れている人もいると思うので図-2にまとめました。(Cをモル濃度とする)

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図-2

 こうやって、電解度がわかります。

 では電解度がわかったので、あとはOH^-の濃度を調べて、pHを求めるだけです。これに関しても図-3でまとめてみました。

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図ー3

よって、pH=12.1になります。因みに、pOH(pOH=-log[OH^-])を求めてから、14ーpOHで求めることもできます。

 

わかりましたでしょうか。もしこれでもわからない場合はDMにて聞いてください(リプライや問い合わせでもいいですが、直接返答出来るわけではありません。更新してお伝えします。)。それでは!

 

コラム

 今回化学平衡っていうのを主として、問題出しましたが、実は化学の世界には、平衡のほかに、共鳴構造というほとんど似たような構造が平衡のように、何回も切り替わり続けるようなものもあります。その共鳴構造なんですが詳しいことは大学の化学で習うと思いますが、その共鳴構造はなんと、切り替わっているのは電子の位置だけで、分子中の原子(電子を除く)自体は位置も種類もなにも変わりません。それに比べて平衡は分子やイオンが左右で変わっていますね。なので、平衡と共鳴って似ているようでまったく違います。