自作問題の解答と解説(たまに科学に関するブログ)

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化学 問題No.5の解答&解説

※ここは私がツイッターにて出した問題の回答を公開している場所です。まだ問題解いてないよ~っていう人は私のツイッターをご覧ください
私のアカウント→https://twitter.com/bot75098033

 

 今回の問題は前回に有機の分離に関する問題を出しまして、それに似た問題を作ってみました。有機でも無機でも、学部によりますが、どういう成分が混ざっているのか、成分を分けるのにはどうするのか等、化学を専門分野として大学で勉強する場合、今のうちにできた方が良いですし、センターでも出たことがあるため、大学受験をするにあたって、出来るようになった方がいいです。また、2番の問題に関しては、理解力を少しでも高めるためです。なので、2番の問題に関しては出来なかったからそれが問題なのかというとそうでもないと思います。ただし、問題ないのはセンター・共通レベルであって、尚且つ今のところはって感じです。

  今回も解説に入る前に問題と解答を公開します。

解答

https://twitter.com/bot75098033/status/1400361612343713796

 と言う問題でしたね。この答えはそれぞれ、

1.沈殿物Ⅰ:CuS

       沈殿物Ⅱ:Al(OH)3

  沈殿物Ⅲ:ZnS

2.操作Ⅰにて、沈殿物Ⅰを濃硝酸で溶かした後に過剰な量のアンモニア水を加えて、操作Ⅲにて、ろ液Ⅲに炭酸アンモニウム(NH4)2CO3でも可)を加えて沈殿があったらろ過をして、その沈殿を炎色反応で確認する。また、沈殿がない場合もその液体を炎色反応で確認する。

となります。2番に関しては字を太くした部分を書いているところがないとだめです。

解説

 まず、今回の問題の一番から解説をしていきたいと思います。

 

一番

 一番では、Al^3+、Na^+、Cu^2+、Zn^2+の四種類の金属イオンがあることがわかっています。ここで確認しておきたいことはどの金属イオンがどの条件下でどの物質と反応してどの沈殿を起こすのかというところです。

 

 たまにここで一つの金属イオンに対して、どういう沈殿反応が起きるのかを思い出そうとする人がいます。この方法でも解けないことはないですが、本当にそうじゃないと解けないのでしょうか?とても効率が悪く、混乱してきたりしないのでしょうか。

 

 何に対しても効率悪くてもある程度確認した方が良いという主張は分かりますので、一つの金属イオンに対して、どういう沈殿反応が起きるのかを思い出して確認しようとするのもわかります。

 

 しかし、そのやり方よりも効率がよく、安全に溶ける方法があります。その方法は単純で、大体の人がやっているやり方なんですが、その方法はただ単に沈殿反応が起きたところだけに着目して、その沈殿反応が起きた条件と合う金属イオンを探します。そして、答えが重複するってことはまずないと思ってください。あったとしてもそれは作成者側のミスなので。

 

 では、先ほど記述したやり方で解説していきます。まず操作Ⅰから説明します。「金属イオンの混合水溶液に希塩酸を加えたが、なにも沈殿しなかったので、そのまま、硫化水素を加えたことにより、黒色の沈殿が生じた。そして、ろ過をして、ろ液Ⅰと沈殿物Ⅰに分けた。」という操作でしたね。

 

 この操作では、最初に希塩酸を加えたけど沈殿反応は起きなかったと記述していますが、実はこれは大切なことで、その後の硫化水素が深く関係してきます。もちろん、今回の場合は、希塩酸は銀や鉛の金属イオンが存在することを確認するのも使いますが、溶液を酸性にするのにも使います。

 

 なぜなら、酸性、中性下ではないと沈殿しない場合塩基性、中性下ではないと沈殿しない場合、もしくはその両方とも沈殿する場合があります。そして、アルミニウムに関しては塩基性ではないと沈殿は起きません

 

 なので、今回の場合は希塩酸が入っている水溶液なので、その混合水溶液に硫化水素を入れる時には酸性です。そして、Al^3+、Na^+、Cu^2+、Zn^2+の中で、酸性下での硫化水素と反応して沈殿を起こす金属イオンはCu^2+だけです。そして、Cu^2+と硫化水素が反応したら硫化銅(H2S)となります。よって、沈殿物Ⅰの答えはH2Sとなります。因みに、Zn^2+も硫化水素と反応しますが、それは塩基性、中性下ではないと沈殿反応は起きません。

 

 次に操作Ⅱについて説明します。操作Ⅱは「ろ液Ⅰを加熱して硫化水素を取り出したあと、希硝酸を加えたあとに、アンモニア水を加えたら、白色の沈殿が生じた。そして、ろ過をして、ろ液Ⅱと沈殿物Ⅱに分けた。」という操作でしたね。

 

 ここで確認してほしいことは、Cu^2+が沈殿したことから、ろ液ⅠにはAl^3+、Na^+、Zn^2+の三種類の金属イオンがあることです。また、硫化水素を取り出すので、ここで塩基性にしてもAl^3+とZn^2+が硫化水素と反応して、沈殿することはありません。

 

 そして、この操作では硫化水素を除いて希硝酸を加えた後に、アンモニア水を加えて沈殿が起きています。つまり、Al^3+、Na^+、Zn^2+の中から、アンモニア水と反応して沈殿を起こす金属イオンを見つければいいです。

 

 そしてその金属イオンはAl^3+となります。Na^+とZn^2+はアンモニアと反応しても、沈殿しません。よって、沈殿物ⅡはAl^3+とアンモニア水が反応してできた水酸化アルミニウムAl(OH)3)であるため、答えはAl(OH)3です。

 

 最後に操作Ⅲについて説明します。操作Ⅲは「ろ液Ⅱにそのまま硫化水素を加えたら、白色の沈殿が生じた。そして、ろ過をして、ろ液Ⅲと沈殿物Ⅲに分けた。」という操作でしたね。

 

 ここで確認してほしいことは、ろ液Ⅱはろ液ⅠからAl^3+を取り除いたため、Na^+、Zn^2+の二種類の金属イオンの混合水溶液となります。また、沈殿反応を示すほどのアンモニア水を加えているため、その水溶液は塩基性となります。

 

 そして、今回も硫化水素を加えることになってますね。しかし、操作Ⅰの時とは違って、今回の水溶液は塩基性です。なので、塩基性の時に反応する金属イオンが硫化水素との沈殿物が出来ます。

 

 今回の場合はZn^2+です。ここで、一つ言いますがNa^+は全く持って沈殿しません。つまり、ここまで解説しましたが、正直にいうとここまでくれば沈殿物を答えるだけならば実質一択です。ですが、もしこのまま続く場合、つまり、Na^+ではなくCa^2+がであった場合、Ca^2+も何かしらの沈殿反応がありますので、2択になります。なので、一応解説しました。

 

 よって答えは、Zn^2+と硫化水素が反応してできた、硫化亜鉛(ZnS)が沈殿物なので、答えはZnSとなります。

二番

 まず、操作Ⅰの付け加えに関する解説を行います。

 

 皆さんは金属の硫化物の沈殿習って思った事はありませんか?もしかしたら先生に言われている可能性もありますがそれでもいいです。

 

 金属の硫化物の沈殿のほとんどが黒色なんです。黒色以外の色を持つことになる金属があるとしたら、カドミウム亜鉛マンガンや酸性下での鉄(Ⅱ)ぐらいです。

 

 そして、酸性下で硫化水素と反応して黒色の沈殿ができて、しかも希塩酸とも反応しない金属イオンはいくらかあります。例でいうと銅や水銀がそうです。

 

 もう二つあるだけでも区別がつきませんよね。だって、二つとも黒色ですから...

 

 そこで、濃硝酸を入れることによって、沈殿をなくすことが出来ます。そして、そこに過剰なアンモニア水を加えます。そうすると、銅は深青色の沈殿が発生して、水銀は最初は酸化水銀という形で沈殿しますが、次第にその沈殿も溶けます。

 

 こうして、どのような金属イオンが含まれているかわかるようになります。なので、

 

 しかし、まったく太字になってない理由としては、高校レベルで覚えている酸性下で硫化水素と反応して黒色の沈殿ができて、しかも希塩酸とも反応しない金属イオンは銅イオンしかありません。だから太字にしませんでした。

 

 操作Ⅲの付け加えに関して説明します。

 

 操作Ⅲで炭酸アンモニウムを加えてという動作ですが、こうすることで炭酸イオンと反応して沈殿を起こす金属イオンがあれば、その塩は沈殿します。その金属イオンにはある特徴がありましたよね?

 

 それは、アルカリ土類金属であることでしたね。

 

 つまり、炭酸アンモニウムを加えて沈殿が起きたらその液体にはアルカリ土類金属のイオンがあります。

 

 しかしその沈殿物の色は全て白色です。

 

 なので、色が異なる炎色反応にて、どのアルカリ土類金属イオンが水溶液中にあるのか確認する必要があります。

 

 沈殿が起きなかった場合、液体を炎色反応で確認するとなっていますが、その理由としては沈殿せずに、そこまでくるのはアルカリ金属で、そのアルカリ金属は沈殿することがありません。そのため、沈殿による確認はできませんので、炎色反応でどのような金属イオンがあるのかを確認するしかありません。なので、液体を炎色反応で確認します。

 

 また、炭酸アンモニウムを加えて、沈殿が起きた場合と沈殿が起きない場合で分けたのは、操作Ⅰの方でも言っている通り、混合水溶液には四種類の金属イオンが含まれていて、記述している上では操作Ⅲまでは、三種類の金属イオンがあることまではっきりしています。もし、沈殿が起きた場合は、一種類の金属イオンがそこに加わり、四種類の金属イオンがあることになり、ろ過した後の水溶液には金属イオンがないことになります。なので、分けました。

 

 よって、操作Ⅰにて、沈殿物Ⅰを濃硝酸で溶かした後に過剰な量のアンモニア水を加えて、操作Ⅲにて、ろ液Ⅲに炭酸アンモニウム水((NH4)2CO3でも可)を加えて沈殿があったらろ過をして、その沈殿を炎色反応で確認する。また、沈殿がない場合もその液体を炎色反応で確認する。となります。

 

 とはいえ、何種類かわかってない場合がほとんどなので、最後までやるべきですがね。

わかりましたでしょうか。もしこれでもわからない場合はDMにて聞いてください(リプライや問い合わせでもいいですが、直接返答出来るわけではありません。更新してお伝えします。)。それでは!

 

コラム

今回のコラムはお休みです。今回は少し多かったので...

 とはいえ、このコラムという場所を設けときながら何もないのはすこしよくない気がするので、一つ豆知識。

 実は銅っていろんな豆知識がありますが、その一つとして、銅って発がん性物質と言われているけどね、実は抗がん効果もあるとも言われています。