化学基礎 問題No.4の解答&解説
※ここは私がツイッターにて出した問題の回答を公開している場所です。まだ問題解いてないよ~っていう人は私のツイッターをご覧ください
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今回の問題は知識問題です。ツイッターでも言いましたが、こういう問題は月一で出すつもりです。また、知識問題については、一つ一つに長々と説明するわけではないので、解答と解説をいっぺんに説明します。因みに知識問題に関しては、全てセンターレベルで、尚且つ基礎の範囲なので、簡単だったと思います。
解答&解説
解答の開示と解説をする前に、まず問題を貼っときます。
https://twitter.com/bot75098033/status/1398912062730932224
*問題2の⑤に訂正がありました。「ハロゲンを除いて→希ガスを除いて」です。
という問題でしたね。ではそれぞれの解答の開示と解説をしていきたいと思います。
問題1
「以下の物質の内、単体と混合物に分けて答えよ。
空気 炭素 酸素 石油 塩酸 メタン」
という問題ですが、まず単体とは何でしょう?混合物とはなんでしょう?これらは↓のような意味となります。
単体:二つ以上の物質が混ざっていない純物質で、そのうちの一種類の原子からなる分子のこと。(たとえば水素は水素原子だけで出来ているため単体である)
混合物:二つ以上の物質が混ざっている状態にある物質のこと。(例えば海水は塩とその他もろもろの物質、そして水が混ざっているから混合物である)
そして、それぞれ見ていくと、
空気:窒素や酸素、アルゴン、二酸化炭素等の気体分子が混ざっているものである。=混合物
炭素:炭素原子から出来ているものである。=単体
酸素:酸素原子から出来ているものである。=単体
石油:いろんな炭化水素(メタンやエタンみたいに炭素に水素が付いた物質の総称)が混ざっているものである。=混合物
塩酸:塩化水素と水が混ざったものである。=混合物
メタン:炭化水素の一つで、炭素原子と水素原子から出来たものである。=純物質だが、単体ではない。
ここで、勘違いしてそうなものの説明書きに赤くしました。石油に関しては本当に念のために赤くしましたが、塩酸に関しては勘違いしている人がある程度いると思います。
塩酸と塩化水素と言うのは違っていて、塩化水素は化合物ですが、その化合物である塩化水素が水に溶けると塩酸になります。なので、塩酸は混ざったもの、つまり、混合物となります。よって答えは、
単体:炭素、酸素
混合物:空気、石油、塩酸
となります。
問題2
「以下の文章の内、誤りがあるものを全て選び、答えよ。
① 炭素の同素体の一つにはダイヤモンドがある。
② 銅は塩酸には溶けないが、硫酸には溶ける。
③ アルミニウムは塩酸には溶けるが、硝酸には溶けない。
④ 酸素には同素体が存在する。
⑤ 電子の取り込みやすさを表したのは電子親和力で、周期表にて、ハロゲンを除いて右下の方に行けばいくほどその電子親和力は強くなる。
⑥ 赤リンというリンの同素体の一つが存在し、自然発火はしない。」
という問題については一つ一つ解説していきます。
①はその通りで、炭素の同素体にはダイヤモンドがあります。他にも、黒鉛とフラーレンがあります。
②は少し意地悪な問題ですね。銅はイオン化傾向では水素イオンH^+よりも陽イオンになりにくく、銅は酸にはほとんど解けません。ですが、酸化力の強い酸であれば溶けます。そのため酸化力のある硝酸に溶けます。しかし硫酸は熱濃硫酸なら酸化力があるため、銅を溶かしますが、今回の問では”硫酸”であり、熱濃硫酸とは記述してないので、溶かしません。よって、誤りとなります。
③はその通りで、アルミニウムは塩酸に溶けますが、酸化力がある硝酸や熱濃硫酸には溶けません。その理由は不動態だからです。アルミニウムは酸化されやすいですが、酸化されると酸化被膜が出来ます。その被膜によって硝酸や熱濃硫酸はその被膜の内部にあるアルミニウムにはとどきませんので、反応が出来ません。
④はその通りです。酸素の同素体にはオゾンっていうのが存在します。オゾンというのは実は酸素原子だけで出来ています。問題1で出てきたらオゾンは単体に含まれることがわかりますね。
⑤は電子親和力の説明はその通りです。また、希ガスを除くもその通りです。しかしその後が間違ってまして、正しくは右下ではなく右上です。電子親和力は周期表にて、ハロゲンを除いて右上の方に行けばいくほど強くなります。そのため、フッ素が一番電子親和力が強いですね。
⑥はその通りで、赤リンはリンの同素体の一種で、自然発火はしません。自然発火するのは黄リンです。
今回聞いているのは誤っているものなので、答えは
②、⑤
となります
問題3&4
「3.イオン化エネルギーに関する記述のうち、正しいのを選び、答えよ。
① イオン化エネルギーは一価の陰イオンへのなりやすさを表している。
② 塩素よりもフッ素の方が一価の陽イオンになりやすい。
③ ナトリウムは水素よりも一価の陽イオンになりやすい。
④ 原子番号20番と下までの中で、カルシウムが最も一価の陽イオンになりやすい。
4.3の内、誤っている部分を訂正したものを答えよ。」
という問題ですが、3の解説と共に4の解説が出来るので、一つ一つやっていきます。
①は誤っています。イオン化エネルギーは電子を一つ取り除くときに必要なエネルギーとなり、そしてそのエネルギーが小さければ小さいほど、一つの電子を取り除きやすいため、一価の陽イオンになりやすいです。ここで、「陽イオンになりやすいなら、逆にエネルギーが大きいやつは陰イオンになるから、結果的にイオン化エネルギーは陰イオンへのなりやすさでもあってるのでは?」って思う人が出ると思いますが、そうではありません。希ガスはイオン化エネルギーが一番高いですが、希ガスは単原子分子の方が安定して、陰イオンにはなりませんよね。なので、陰イオンへのなりやすさを表しているわけではありません。
②は誤っています。イオン化エネルギーは周期表にて、左下に行けばいくほど弱くなる、つまり、陽イオンになりやすくなります。そして、フッ素の原子番号は9番、塩素の原子番号は17番でしたね。つまり、フッ素の方がより左下から離れているため、イオン化エネルギーが大きくなっています。なので、フッ素の方が塩素よりも陽イオンになりにくいです。
③はあっています。②で記述した通り、周期表にて、左下に行けばいくほど陽イオンになりやすくなります。そして、ナトリウムの原子番号は11番、水素の原子番号は1番で、水素原子の方がより、左下から離れています。なので、ナトリウムは水素よりも一価の陽イオンになりやすいです。
④は誤っています。②で記述した通り、周期表にて、左下に行けばいくほど陽イオンになりやすくなります。カルシウムは原子番号20番で、確かに左下に近いです。しかし、20番までの中では1番ではありません。その理由は周期表にて、カルシウムの位置よりも左側にあるカリウムが存在しますよね。なので、20番までで、一番陽イオンになりやすいのはカリウムです。
よって、問題3の答えは、
③
となり、問題4の答えは、
① イオン化エネルギーは一価の陰陽イオンへのなりやすさを表している。
② 塩素よりもフッ素の方が一価の陽イオンになりやすいなりにくい。
④ 原子番号20番と下までの中で、カルシウムカリウムが最も一価の陽イオンになりやすい。
となります。
問題5
以下の選択肢は、金属:炎色反応による色で表記されている。この中で正しいものを全て答えよ。
① Na : 黄色
② K:赤色
③ Sr : 紅色
④ Cu : 黄緑色
という問題ですが、これは細かい解説は行いません。
①はその通りです。
②はカリウムの炎色反応による色は紫色で、赤色はリチウムなので、誤りです。
③はその通りです。
④は混合しやすいので出しましたが、銅の炎色反応による色は緑(青緑)色で、黄緑色はバリウムなので、誤りです。
よって、答えは
①、③
となります。
わかりましたでしょうか。もしこれでもわからない場合はDMにて聞いてください(リプライや問い合わせでもいいですが、直接返答出来るわけではありません。更新してお伝えします。)。それでは!
コラム
今回は炎色反応についてのはなしです。
皆さんなぜ炎色反応が起きるのか知っていますか?実は私も調べるまでは知りませんでした。なので、なぜ起きるのか、そして、なぜ色が違うのかまで説明します。
塩に含まれる金属ですが、それを熱することによって、炎色反応が起きますよね。その時に、燃やすときは液体なので、蒸発しやすくなり、気体になりやすくなりますよね。そして、燃やすということは高いエネルギー下に金属原子を持ってくることになります。そうすると、その塩に含まれる金属原子にある電子は、高いエネルギー状態になります。このことを励起といい、この状態を励起状態となります。
その励起状態というのはエネルギーが大きすぎて不安定な状態です。なので、すぐにエネルギーが小さい安定な状態になろうとします。この状態を基底状態といいます。そして、この励起状態の時から基底状態になる時にエネルギーを放出することになり、そのエネルギーは光となります。また、エネルギーの光の関係としては、二つの状態のエネルギー差ΔEが振動数ν(ニュー)に比例します。
ΔE=hν(hはプランク定数といって、振動数とエネルギーの比例定数です。)
また、光の色と言うのは光の周波数と言うものが関係します。皆さんは虹を見たことがありますか?その見えている色の順番通り(赤→橙→黄→緑→青→藍→紫)で、振動数が少ない方が赤に近づき、振動数が大きい方が紫に近づきます。
つまり、金属の塩が炎の中に入ることによって、気体になった塩の金属にある電子が励起状態になってすぐに基底状態になり、エネルギー差がうまれて、そのエネルギーが光となる。その光の振動数によって、色が異なるため、炎色反応が起きます。
そして、金属によって、励起状態と基底状態のエネルギー差と言うのが異なり、エネルギー差が異なると振動数が異なり、振動数が異なると色が異なるため、金属によって、炎色反応の色が異なります。
...多分知識なかったらわかりづらいですね。でも励起状態とか基底状態とかは、物理学を習う上で説明されてわかるようになると思うので、私が言いたいこともわかると思います。