自作問題の解答と解説(たまに科学に関するブログ)

基本的に自作問題の解答と解説を投稿し、たまに、科学に関するようなブログを投稿します。

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化学 問題No.6の解答&解説

※ここは私がツイッターにて出した問題の回答を公開している場所です。まだ問題解いてないよ~っていう人は私のツイッターをご覧ください
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今回の問題はセンター化学の最後あたりの問題でよくある重合体の計算を出してみました。手元にある赤本で確認しましたが、一応このような問題は標準だそうです。しかし、初めて見たりすると難しく感じると思います。

でも、数回解いたことがあるとラッキーと思うかもしれません。なぜなら聞いているレベルは外見だけ見れば難しそうですが、ふたを開けてみれば化学基礎なみのレベルですので、簡単に出来るようになると思うからです。

 それでは今回も解説をする前に問題と解答を公開します。

解答

 

 という問題でしたよね。そしてこの答えは、

質量:16.5g

体積:8.40L

となります。

解説

では解説していきます。まず、有効数字は、実測値の内、一番桁数が小さい数になります。今回の場合は、一番桁数が小さい数はなので、有効数字は3桁となります。なので、答えも3桁ではないといけません。

 

 有効数字を確認できたので、次に、二酸化炭素の質量や体積を求めるために、物質量を求めましょう。

 

 まず、ポリ乳酸が1モルを完全に分解したときに、何モルの二酸化炭素が発生するのでしょうか?

 

 そんなのやってみないとわからないじゃんって思う人もいますが、そんなことはありません。

 

 今回の問題ではポリ乳酸を完全に分解します。その完全に分解するっていうのはどういうことかというと、今回の場合、乳酸に含まれる炭素原子や水素原子、酸素原子が全て水分子や二酸化炭素を形成する原子になるということです。

 

 つまり、ポリ乳酸の一つに含まれている全ての炭素が分子内の酸素やそれ以外の酸素と二酸化炭素を形成するということになり、その二酸化炭素の分子数は、乳酸に含まれる炭素原子数となります。

 

 なので、ポリ乳酸の一つと炭素原子の比を求めることによって、乳酸と二酸化炭素分子の比を求めることが出来ます。

 

 なので、問題にもありますが、再度ポリ乳酸の一つの構造式を見て、炭素を数えてみましょう。

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図ー1

 この図から乳酸一分子には、炭素原子が3つあることがわかります。なので、ポリ乳酸の一つと炭素原子の比は

1:3

となり、その炭素原子数が発生した二酸化炭素分子数を表しているため、ポリ乳酸の一つと二酸化炭素分子の比も

1:3

となります。

 

 これらのことから、ポリ乳酸の一つの物質量に3n(nは重合体において、どのぐらいモノマーがくっついているのかを表しているが、式の途中で消えるので気にしなくていい)をかければ、二酸化炭素の物質量となることがわかると思います。そして、式としては

ポリ乳酸の一つの物質量×3n=二酸化炭素の物質量

となり、ポリ乳酸の一つのモル質量は、72.0・ng/mol(12×3+16×2+1×4)であり、今回の場合ポリ乳酸の質量は9.00gなので

(9.00/72.0n)×3n

=0.375mol

となります。

 

 二酸化炭素の物質量がわかったところで、あとは質量と体積を求めていくだけです。

 

 物質量から質量の求め方は

モル質量g/mol×物質量mol=質量g

でしたね。そして、二酸化炭素のモル質量は44.0g/mol(12+16×2)なので、

44.0×0.375

=16.5g

となり、二酸化炭素の質量は16.5gとなります。

 

次に体積を求めていきましょう。今回の場合、標準状態なので、1mol=22.4Lとなります。なので、

22.4×0.375

=8.4

となり、有効数字が3桁であることから、

8.40

となります。よって二酸化炭素の体積は8.40Lとなります。

 

わかりましたでしょうか。もしこれでもわからない場合はDMにて聞いてください(リプライや問い合わせでもいいですが、直接返答出来るわけではありません。更新してお伝えします。)。それでは!

 

コラム

 今回出てきた乳酸について話していきたいと思います。乳酸とはいったいどういうところにあるのでしょうか。生物を習った事がある人なら知っていると思いますが、実は私たち体にある細胞が細胞質にある解糖系にて、嫌気的条件下(酸素がない状態)の時に砂糖を乳酸にします。

 

 正確な順序は話せば長くなるため記述しませんが、このようにして乳酸が出来る*1わけです。

 

 ではそんな乳酸ですがどのような作用があるのでしょうか?それについて記述していきます。

 

疲労を感じさせる

 「乳酸がたまる」

 

 こんなこと言っている人はいませんか?実はこれはある意味あっていて、乳酸がたまる=体が疲労を感じているっていうわけではありませんが、あながち間違っていません。その理由は、乳酸を合成する上で水素イオンが出てきます。そして、その水素イオンが出てくるということは、体内の水素イオン濃度は高まり、筋肉のpHが低くなり、酸性度が高まります。これが疲れを感じる一因ではないかと言われているから*2です。

 

まぁ見出しを作りましたが、調べて見つかったのは一つだけですが。ですが、詳しい文献とかは調べて出てきます。信頼できそうな文献はありましたので、詳しいことを知りたい方はこちらをどうぞ。(PDFファイルなので、パソコンの場合は大丈夫ですが、スマホの場合はPDFファイルが開けるか確認しといてください)

 

本当にざっくりと要約すると、乳酸は酸性物質としては酸性度が高いから、疲労を感じるよみたいな感じです。

*1:私たちの体を形成する細胞だけではなく、乳酸を生合成する細菌もあります。

*2:

www.e-healthnet.mhlw.go.jp