自作問題の解答と解説(たまに科学に関するブログ)

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毒を以て毒を制す!実際にはどうなのか

 毒を以て毒を制すっていう言葉は聞いたことありますか?

dictionary.goo.ne.jp

 これが毒を以て毒を制すという意味となります。例えば、殺人を犯した人間を殺人に特化したスナイパーがその人を殺すみたいな感じです。

 

 さて、そんな言葉ですが、実際に毒で、毒を打ち消すことは出来るのだろうか?

 

毒で毒を打ち消すことは出来る?

 実はある事件がとあるテレビ番組でやっていました。それは、二つの毒を使用して、一つのある毒を飲ませてから、死んでしまう時間を伸ばして、その毒だけだった時の死亡時刻よりも遅らせた事件がありました。(つまり、犯人はその毒を飲んでから死ぬまでの時間に関わっていないというアリバイを作ったということです。)

 

 具体的には、毒はトリカブトとフグで、ある加害者(男)が、被害者(女)にトリカブトの毒とフグの毒を両方とも飲ませて、殺害した事件です。

 

 でも、ここで疑問が生じます。フグの毒もトリカブトの毒も、猛毒と言われていますよね。なぜ二種類の毒で、なおかつ猛毒と言われている毒を使ったのに、被害者がすぐに死ぬどころか、死ぬ時間が遅くなったのか?

 なので、この疑問を解説していきます。

 トリカブトもフグも確かに猛毒です。しかし、死ぬ時間が遅くなったのはちゃんとしたわけがあります。実はトリカブトとフグの毒としての作用機序、つまり、どのような過程で作用していくのかが、相反するからです。

 

 まず、トリカブトとフグの毒について知る前に、知ってほしいことがあります。私たち生体にはナトリウムイオン(Na+)っていう物質が存在するんですが、それが出入り出来るナトリウムチャネルっていう言ってしまえばゲートがあるんです。よく改札を通る時にゲートがありますよね。イメージするならそれがいいと思います。そして、そのゲートですが、生体の働きに大きく関与していて、それが閉まりっぱなしになったり、開けっ放しになってたりしてたら、”死”ですよ。それほど重要なゲートなんです。そのゲートの存在を覚えてほしいです。

 

 さて、トリカブトとフグの毒について、説明していきます。

 

 トリカブトにある毒は先ほど見たであろうブログにて言いましたが、アコニチンでしたね。そのアコニチンの作用機序についてですが、ナトリウムチャネルというゲートを開けっ放しにするんです。先ほど記述した通り、ナトリウムチャネルというゲートを開けっ放しにしてしまうと死んでしまうんです。これがアコニチンの作用機序です。

 

 フグにある毒はテトロドトキシンという成分があるんです。通称フグ毒ですね。そのフグ毒の作用機序は、アコニチンとは真逆で、逆にナトリウムチャネルというゲートを閉めっぱなしにするんです。先ほど記述した通り、ナトリウムチャネルというゲートを閉めっぱなしにしてしまうと死んでしまうんです。これがフグ毒の作用機序です。

 

 つまり、二つとも適量で混ぜて飲ませたら、二つの毒の作用がぶつかり合って、結果的に毒としての症状がでなくなってしまいます。でも、それだと生きているはずですよね。でも、実は、アコニチンよりもフグ毒の方が早く消えてしまうんです。つまり、同時に適量で飲ませたら、アコニチンが体内に残って、アコニチンの毒としての作用が発現してしまうんです。

 

 だから、遅れて死んだんです。詳しい内容は、トリカブト 保険金とか、トリカブト フグ毒 とかで検索したら出てくるのではないかなって思います。また、これを参考にしてもほぼ無意味だと思いますよ。なので、変なマネはしないように

 

実は薬も関係する

 実はこれは薬でも同じことが言えます。よく聞きませんか?薬の飲み合わせについて。実は、薬の飲み合わせについてあれこれ言われるのは副作用が強く出るからっていうのもありますが、薬としての作用が弱まってしまうからっていうのがあります。

 

 しかも、薬の飲み合わせによる作用が弱まることって一般人が思わぬところで起きますから。例えば、鎮痛剤自体の種類によりますが、利尿薬と鎮痛剤という組み合わせは、実は、利尿作用が弱まってしまいます。

 

結論

これらのことから、毒を以て毒を制すっていう言葉は作用が相反する毒同士であれば、実際にそうだっていうことがわかりましたでしょうか?もちろん、毒を以て毒を制すが正しいから毒を飲んだらそれに相反する毒を口にすればいいっていう考えは危険なので、とりあえず、毒を避けるようにしてください。それに、相反する毒を口にすればって言いますけど、量が大切なので、出来ないもんだと思っといてください。

 

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