化学基礎 問題No.5の解答&解説
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今回の問題は少し簡単な問題にしました。とはいえ、センターレベルなので、こういう問題は出ると思います。また、今回は少し公式を主に理解してほしいので、公式に当てはめさえすれば、計算はとても簡単です。多分計算式だけ出したら、寝起きでも出来ると思います。保証はしませんが...
今回も解説をする前に問題と解答を公開していきます。
解答
[#化学基礎] #問題 No.5
— 問題bot(主に化学、たまに生物 そのうち物理も出すかも) (@bot75098033) 2021年6月6日
18.3mol/Lの硫酸の質量パーセント濃度(%)はいくつか。濃硫酸の密度を1.83g/cm^3とする。
S=32.0(本来は32.07なので32.1となりますが、今回は32でいいです) O=16.0 H=1.0とする。
という問題でしたよね。そして、この答えは、
98.0%(98%と書きがちですが有効数字に合ってない為、×)
となります。
解説
早速解説していきます。まず、今回の問題の有効数字は実測値の内、一番桁数が小さい値が有効数字の桁数でしたね。今回の場合、全て3桁で記載されているため、有効数字は3桁となります。なので、答えは3桁で答えなければいけません。
さて、本題に戻りますが、今回のような問題、こういう問題を解いたことないとしても、これに似たような問題はありませんでしたか?
授業にて問題を解くときにこういう問題が出されませんでした?
「95.0%の硫酸のモル濃度は何mol/Lか。ただし、硫酸の密度は1.83g/cm^3とする」
因みにこの問題の答えは、17.7mol/Lとなりますが、このような解き方は習いませんでした?
1000×密度g/cm^3×(質量パーセント濃度%÷100)÷モル質量g/mol=モル濃度mol/L
一応高校生の時の化学基礎のワークをパラっと見ましたが載ってませんでした。しかし、私が言ってた高校ではこのような公式を習ったと思います。習ってない人はこの公式を覚えておくといいです。因みに公式の詳しい説明は全体的の解説よりも下の方に記載しています。
ではこの公式を見ていただければわかる通り、先ほど出した問題がこの式に当てはめることが出来るのは言わずもがな、今回の問題もこの式に当てはめることが出来ます。その理由としましては、今回の問題では、密度とモル濃度がわかっていて、質量パーセント濃度がわかっていませんが、質量パーセント濃度をxとして、それ以外を当てはめていった後に、移行すればいいからです。また、硫酸はH2SO4でモル質量は、32+16×4+1×2で、98g/molです。なので、
1000×密度g/cm^3×(質量パーセント濃度%÷100)÷モル質量g/mol=モル濃度mol/L
→1000×1.83g/cm^3×(x%÷100)÷98g/mol=18.3mol/L
→図ー1へ
となります。そして、有効数字に気を付けてた答えが98.0%となります。
公式の解説
さて、ここまで解説しましたが、なぜ
1000×密度g/cm^3×(質量パーセント濃度%÷100)÷モル質量g/mol=モル濃度mol/L
という公式になるのか、解説していきます。
まず式が出来るようになるにはどこを注目するのかというと、それは単位です。単位だけ計算すれば、その求めたい単位にたどり着くことが出来ます。
今回の場合質量パーセント濃度%はもともと、溶質の重量÷溶質と溶媒の重量の合計×100で求めましたよね。なので、質量パーセント濃度は×100を含めて、g/gとします。また、100に関しては単位はなく、1000に関しては後程説明するので無視するとして、
g/cm^3×g/g÷g/mol
→g/cm^3×g/g×mol/g
→mol/cm^3
となります。
...まって、今回求めたいのはmol/Lではないのか?と思う方がいると思いますが、でもあの公式通りだと、mol/Lにはなります。
その理由は、1000をかけることによって、mol/cm^3のcm^3がLになるからです。
では、なぜそうなるのでしょうか...
皆さんは1mLは1cm^3というのを習いませんでしたか?これを応用すればいいんです。今回の場合、求めたいのは1Lです。その1LをmLで表すと、m(ミリ)は通常の1/1000倍の大きさを表しますので、1000mLとなります。これらのことから、1Lは1000cm^3となります。
そして、/cm^3というのは1cm^3に対してという意味になりましたよね。なので、xmol/cm^3というのは1cm^3に対して、xmolあるということになります。
そこで、先ほど言った通り1Lは1000cm^3、つまり、1000をかけることによって、mol/cm^3のcm^3をLと置き換えることが出来ます。
なぜなのかよくわからない人に聴きますが、1mlに1g溶かした塩水に、同じぐらいの濃度の塩水を入れて、1000mL、つまり1Lにしたらそこに溶けた塩の量は何グラムになりますか?
溶解度を考えなければ、単純に1000倍して、1000gになりますよね。
イメージするなら、同じ大きさの段ボールに二つのボールを入れて、その段ボールを並べたときに、一つの段ボールよりも複数の段ボールを密着して並べたときに、体積もボールも増えますよね。ちょっとボールの形がいびつだったり、段ボールからはみ出てたりしますが、イメージ図はこちらです。(図ー2)
ちまちま数えてくださったらわかりますが、ボールを〇としたとき、そのボールの数は、2個から40個に増えている、つまり、ボールの数が20倍であることがわかりますね。これは、段ボールが1個から20個に増えている、つまり、段ボールが20倍であることがわかるのと同時に、段ボールが増える量の倍数=ボールの増える量の倍数であることがわかります。
言い換えると、一つの段ボールに対して二つのボールがあり、20つの段ボールに対して、40つのボールがあるということです。
これらのことから、1000をかけることによって、mol/cm^3のcm^3をLと置き換えることが出来ることがわかると思います。
わかりましたでしょうか。もしこれでもわからない場合はDMにて聞いてください(リプライや問い合わせでもいいですが、直接返答出来るわけではありません。更新してお伝えします。)。それでは!
コラム
今回使われた硫酸は濃硫酸と言われる物質で、化学を勉強している人なら大抵の人が知っていると思いますが、その濃硫酸は脱水剤として使われています。例えば、エタノールからジエチルエーテルにする分子間脱水や、エタノールをエチレンにする分子内脱水の反応を起こす触媒として使われます。
その脱水作用に関してはいろいろ使われていて、例えば、薬の製造や確認試験等使われています。
因みに脱水作用はすごく恐ろしく、砂糖っていうのは炭素、酸素、水素の三つの原子からなり、たまに六角形になる構造を持っていますが、その砂糖があっという間に炭素の塊になるほどです。実際にyoutubeとかでも調べてみたら出てきますが、反応するまでは少し時間かかりますが、反応し始めたらあっという間でした。
このように危険な硫酸ですが、実は身近にあります。もちろん濃硫酸という状態ではありませんが、希硫酸と言う状態でならあります。
その希硫酸から濃硫酸にする方法も結構簡単です。とはいえ、悪用されたら問題ですし、反応性も凄まじいので、教えませんし、わかっててもやらないようにしてください。
反応性のすごさとしては、水を入れただけですごく発熱したりして、硫酸がとび散るほどです。