化学基礎 問題No.3の解答&解説
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今回の問題は化学基礎を学ぶ上で、基礎となる部分を問題としました。言い換えれば、理解できていれば、やればできる問題となっていて、簡単な問題だと思います。とはいっても、出来なかったからと言って気を落とさないでください。理解すればいいだけの話ですので、まだ、希望はあります。因みに、これに類似問題がセンターにあったので、ちゃんとできた方が良いですよ。
今回も解説に入る前に問題と解答を公開します。
解答
[#化学基礎] #問題 No.3
— 問題bot(主に化学、たまに生物 そのうち物理も出すかも) (@bot75098033) 2021年5月21日
3.6×10^2g(360g)の水に関する①~④のに入る数値を答えよ。ただし、アボガドロ定数を6.0×10^23とする。H=1.0 O=16
①水素原子の数は個である。
②酸素原子の数は個である。
③総中性子数は個である。
④共有電子対は[]個である。
と言う問題でしたね。そしてこれらの答えはそれぞれ
①2.4×10^25
②1.2×10^25
③9.6×10^25
④2.4×10^25
となります
解説
では解説をしていきます。まず、今回の問題の有効数字は、実測値のうち、最小桁数が2桁なので、有効数字は2桁となります。よって、2桁で答えないといけません。
本題に入りますね。①から順番に解説していきます。
①水素原子の数
まず、1つ確認してほしいことがありまして、それは
物質量から原子や分子の数の求め方
です。では物質量から原子や分子の数の求め方は以下の式で求めることが出来ましたよね。
物質量×アボガドロ定数=原子や分子の数
因みになぜ物質量にアボガドロ定数でかけることで、原子や分子の数を決めることが出来るのでしょうか。その理由としては、そういうものって言ってしまえばまさにその通りなので速いですが、ちょっと詳しくいうと、1ダースが12個のように、1モルが1アボガドロ定数、つまり、1モルが6.0×10^23個となるのです。(そのイメージが図ー1にあります)
また、重さから物質量を求める方法は
重さ÷モル質量=物質量となります
その理由としては単位を見てもらえばわかります。モル質量の単位はg/molですよね。そして重さの単位はgですよね。つまり
g÷g/mol
となります。そして、分数で割る時、その分数の逆数で×ということになります。なので
g×mol/g=mol
となり、g同士は消えるため、最終的にはmolになります。今回の場合、水、つまりH2O(18g/mol(1×2+16))は、360gなので、先ほどの式に合わせて求めると、
360g÷18g/mol=20mol
となります。よって、水は20molあるということがわかります。ここまでわかったら、さっそく水素原子の数を求めていきましょう。
まず水1molの時の水素原子の物質量を求める必要があります。水H2O一個に対して、水素原子が2個ありますよね。つまり、水6.0×10^23個あったとすれば、水素原子が1.2×10^24個(12.0×10^23個)あるということになり、これは、水1molに対して、水素原子が2molあるということになります。
つまるところ、水と水素原子の比は1:2となります。なので、水分子が20molなので、×2をして、水素原子は40molとなります。よって、水素原子の数は
40×6.0×10^23
=240×10^23
=2.4×10^25
なので、水素原子の数は2.4×10^25個となります。
②酸素原子の数
では、酸素原子の数を求めましょう。
まず水1molの時の酸素原子の物質量を求める必要があります。水H2O一個に対して、酸素原子が1個ありますよね。つまり、水6.0×10^23個あったとすれば、酸素原子が6.0×10^23個あるということになり、これは、水1molに対して、酸素原子が1molあるということになります。
つまるところ、水のモル=酸素原子のモルとなるため、酸素原子も20molとなる。そのため、
20×6.0×10^23
=120×10^23
=1.2×10^25
なので、酸素原子は1.2×10^25個となります。
③総中性子の数
まず原子一つ一つの中性子の数ってどうやって求めるかわかりますか?中性子の求め方ですが、
原子量(整数)ー陽子=中性子
となります。また、陽子の数は原子番号となります。では総中性子数を求めていきましょう。
総中性子数は言ってしまえば、水素原子や酸素原子の数を求めたように求めることが出来ます。なぜなら、水素原子や酸素原子の数は、水分子の数に依存していて、中性子はそれぞれの原子のなかに、同位体というものを無視すれば、一定の数あるので、総中性子数はその水分子の数に依存している水素原子や酸素原子の数に依存します。つまり、
水素原子の数×水素原子の中性子数+酸素原子の数×酸素原子の中性子数
で求めることが出来ます。なので、それぞれの中性子数を求め、そこから上の式に当てはめて、総中性子量を求めていきます。
先に水素の中性子数を求めましょう。水素の原子番号も原子量もそれぞれ1です。すなわち、
1-1=0
なので、水素の中性子数は0となります。
次に酸素の中性子数を求めましょう。酸素の原子番号は8番で、原子量は16です。なので、
16-8=8
なので、酸素の中性子数は8となります。
そして、総中性子数は
水素原子の数×水素原子の中性子数+酸素原子の数×酸素原子の中性子数
=2.4×10^25×0+1.2×10^25×8
=9.6×10^25
となるため、総中性子数は9.6×10^25個となります。
④共有電子対の数
まず共有電子対の確認ですが、共有電子対というのは、二つの原子がそれぞれもつ電子を共有し合って、出来た組です。想像しやすく言いますと、電子を人として、人と人が手を繋いでくっついている時に、手が繋がっている部分が共有電子対であるよってことです。
そして、共有電子対の数も今まで解いてきたように解くことが出来て、以下のような式になります。
水分子数×一分子における共有電子対の数=共有電子対の数
となります。なので、一分子における共有電子対を数えましょう。
水素原子の価電子は1(つまり、水素原子には手が1つあると思ってください)で、酸素原子の価電子は6(つまり、酸素原子には手が2つあるとおもってください)なので、水分子のルイス構造式(点のやつ)は以下のようになります。(図ー2)
よって、一つの水分子における共有電子対が2つであることがわかります。そして、水分子数は
20×6.0×10^23
=120×10^23
=1.2×10^25
で、1.2×10^25個なので、
1.2×10^25×2
=2.4×10^25
となります。よって、共有電子対は2.4×10^25個あります。
わかりましたでしょうか。もしこれでもわからない場合はDMにて聞いてください(リプライや問い合わせでもいいですが、直接返答出来るわけではありません。更新してお伝えします。)。それでは!
コラム
今回の解説みてて、思った事がありませんか?いろいろあると思いますが、中性子の数で、水素原子の中性子の数が0個だったことについて「え?」っと驚きませんでしたか?...少なくとも私は驚きました。なので、水素原子と中性子の数、すなわち、水素原子の同位体の話をします。実は水素原子には中性子数が0なのが普通の水素、中性子数が1なのが重水素、中性子数が2なのがトリチウムの3種類の同位体があります。じつはそれぞれ性質が違いまして、特にトリチウムに関しては放射線物質で、発がん性を示します。
ちなみにそのトリチウムですが、実は核融合発電というのをご存じでしょうか。核融合発電では、トリチウムと重水素の原子核を融合して、ヘリウムと一つの中性子にして、その時に出た熱エネルギーを電気エネルギーに変換して、発電しますが、その発電量は豊富で、今の発電方法よりも効率的に発電できます。また、安全性も保障されているそうです。とはいえ、核融合するときに耐えれる建材が必要だったり、そもそもとして、研究したりするのに、莫大な費用が掛かりますが...