自作問題の解答と解説(たまに科学に関するブログ)

基本的に自作問題の解答と解説を投稿し、たまに、科学に関するようなブログを投稿します。

MENU

化学 問題No.4の解答&解説

 ※ここは私がツイッターにて出した問題の回答を公開している場所です。まだ問題解いてないよ~っていう人は私のツイッターをご覧ください
私のアカウント→https://twitter.com/bot75098033

 

 今回の問題は、熱エネルギーの問題の中では、一応応用問題ですが、応用問題の中で基礎的な問題となっていると思います。しかし、私が高校生の時には一定数の方が出来ていなかったので、問題として出しました。また、この問題はセンターレベルとなっています。(共通テストにはでていませんが、難易度はあまり変わってないので、出る可能性はあると思います。)

 では解説する前に、解答と問題を公開します。

解答

 

 という問題でしたね。そして答えは

75.0kJ 発熱反応

となります。

解説

 では解説していきます。今回の問題は、測定値の最小桁数が3桁です。なので、有効数字は3桁となり、答える時も3桁ではないといけません。

 

 まず、冒頭でも話しましたが今回の問題は応用問題の中でも基礎的な問題です。その理由は2つあります。それがこちらです。

  1. 今回の問題は本当に基礎的な部分を問いているから
  2. 今回の問題には複雑な思考や複雑な計算ではないから

 つまり何が言いたいかって言いますと、ちゃんと基礎を理解していれば出来る問題なので、その基礎的なことを理解していれば、難しくとらえる必要はないってことです。なんならまだ習ってない中学生でも出来るような問題だと思います。

 また、反応式に書いてあるs、l、gはそれぞれ固体(solid)、液体(liquid)、気体(gas)となります。

 

 では本題に入ります。今回求めるべき問題は固体の炭素と気体の水素が反応してメタンになる反応の熱量を先に求める必要があります。ではないと、発熱反応と吸熱反応のどっちなのかが、調べない限り見分けがつきませんから。(g)

 文章のままでは、既存の三つの式から求めたい熱量を求めることが難しいため、求めたい部分をQ(kJ)として、式にしましょう。

 反応物が固体(s)の炭素と気体(g)の水素で、生成物がメタンですね。また、反応物=生成物+熱量(QkJとする)なので

C(s)+2H2(g)=CH4+QkJ

 となります。

 

 求めたい熱量が、含む化学反応式が出来たので、既存の三つの式からその式と同じになるようにします。ではどのようにするのでしょうか...正解は連立方程式を解くように化学式からいらない部分を消せば上の式のようになりますし、熱量もわかります。

 

 結果図ー1のようになりました。

f:id:science_mondaibot5325:20210526000502p:plain

図ー1

 となります。また、有効数字は3桁なので、57.0kJとなります。

 

 また、この値は正の値なので、熱をメタンが出来たときに放出していることになります。よって、発熱反応となります。

 

わかりましたでしょうか。もしこれでもわからない場合はDMにて聞いてください(リプライや問い合わせでもいいですが、直接返答出来るわけではありません。更新してお伝えします。)。それでは!

 

コラム

 エネルギーといえば、いろんなところにありますが、具体的に何を思い浮かべますか?電気?熱?それとも、運動?

 人によっては、色々思いつくなか、カロリーっていう言葉が出てくると思います。そのカロリーについての話をそのうちしますが、ここでも少しだけ、話します。

 

 今回の問題ではkJ、つまり、熱量を単位としてエネルギーを扱っていました。では1kcalは何kJなんでしょうか? 正解は、約4.18kJです。

 なので、熱量からカロリーを知ることが出来ます。例えば、418kJの発熱があったっということは、100kcalの消費があったということになります。また、逆に消費カロリー量から熱量を知ることもできます。例えば、理論上10kcalの消費があったとして、その時出てきたエネルギ―が熱エネルギーであれば、41.8kJの発熱があったということになります。

 正直、こういうのは研究による本格的なカロリー計算をするような人ではない限り、あまり意味ありませんが、意外とこういうのは面白いかもしれません。特に、消費カロリー量から熱量を知る方法に関しては、エネルギーを発熱としたとき、水の比熱から、どのぐらいの水がどのくらい温度上がるのかと言うのを考えるなどすれば、軽い暇つぶしにもなりますし、小数点を多く含みますので、少し難しいかもしれませんが、計算練習にもなりますので、やってみてはいかがですか?それこそ、軽くカロリー消費が出来るかもしれませんね。

月号ブログまとめ

ここでは、月号ブログをまとめたところです。

*月号ブログとは? その名の通り、ひと月の内に一つほどの話題を持ち上げて、複数の記事に分けて、記述していきます。

*月号ブログではなにを書くのか? ブログの名前にも書いてある通り、科学に関するブログを書いていきます。例えば初めて作った五月号は毒について記述しました。

*ネタが尽きたら? 科学という分野は話すようなことが多いですが、私の知識ではそのうちネタが尽きてしまうのではないかなって思います。その場合は休むか、科学とは全く関係ないことを記述するかのどちらかをします。

更新があり次第、随時更新していきます。

2021年度五月号

 

science-mondaibot5325.hatenablog.com

→・毒を以て毒を制す!実際にはどうなのか - 自作問題の解答と解説(たまに科学に関するブログ)

 ・毒と副作用って同じ?違う?薬と毒について - 自作問題の解答と解説(たまに科学に関するブログ)

 

2021年度6月号

 

化学基礎 問題No.3の解答&解説

※ここは私がツイッターにて出した問題の回答を公開している場所です。まだ問題解いてないよ~っていう人は私のツイッターをご覧ください
私のアカウント→https://twitter.com/bot75098033

 

 今回の問題は化学基礎を学ぶ上で、基礎となる部分を問題としました。言い換えれば、理解できていれば、やればできる問題となっていて、簡単な問題だと思います。とはいっても、出来なかったからと言って気を落とさないでください。理解すればいいだけの話ですので、まだ、希望はあります。因みに、これに類似問題がセンターにあったので、ちゃんとできた方が良いですよ。

 今回も解説に入る前に問題と解答を公開します。

解答

 

 

 と言う問題でしたね。そしてこれらの答えはそれぞれ

①2.4×10^25

②1.2×10^25

③9.6×10^25

④2.4×10^25

となります

解説

 では解説をしていきます。まず、今回の問題の有効数字は、実測値のうち、最小桁数が2桁なので、有効数字は2桁となります。よって、2桁で答えないといけません。

 

 本題に入りますね。①から順番に解説していきます。

①水素原子の数

 まず、1つ確認してほしいことがありまして、それは

物質量から原子や分子の数の求め方

です。では物質量から原子や分子の数の求め方は以下の式で求めることが出来ましたよね。

物質量×アボガドロ定数=原子や分子の数

 因みになぜ物質量にアボガドロ定数でかけることで、原子や分子の数を決めることが出来るのでしょうか。その理由としては、そういうものって言ってしまえばまさにその通りなので速いですが、ちょっと詳しくいうと、1ダースが12個のように、1モルが1アボガドロ定数、つまり、1モルが6.0×10^23個となるのです。(そのイメージが図ー1にあります)

f:id:science_mondaibot5325:20210521163916p:plain

図ー1

 また、重さから物質量を求める方法は

重さ÷モル質量=物質量となります

その理由としては単位を見てもらえばわかります。モル質量の単位はg/molですよね。そして重さの単位はgですよね。つまり

g÷g/mol

となります。そして、分数で割る時、その分数の逆数で×ということになります。なので

g×mol/g=mol

となり、g同士は消えるため、最終的にはmolになります。今回の場合、水、つまりH2O(18g/mol(1×2+16))は、360gなので、先ほどの式に合わせて求めると、

360g÷18g/mol=20mol

となります。よって、水は20molあるということがわかります。ここまでわかったら、さっそく水素原子の数を求めていきましょう。

 

 まず水1molの時の水素原子の物質量を求める必要があります。水H2O一個に対して、水素原子が2個ありますよね。つまり、水6.0×10^23個あったとすれば、水素原子が1.2×10^24個(12.0×10^23個)あるということになり、これは、水1molに対して、水素原子が2molあるということになります。

 つまるところ、水と水素原子の比は1:2となります。なので、水分子が20molなので、×2をして、水素原子は40molとなります。よって、水素原子の数は

40×6.0×10^23

=240×10^23

=2.4×10^25

なので、水素原子の数は2.4×10^25個となります。

②酸素原子の数

 では、酸素原子の数を求めましょう。

 まず水1molの時の酸素原子の物質量を求める必要があります。水H2O一個に対して、酸素原子が1個ありますよね。つまり、水6.0×10^23個あったとすれば、酸素原子が6.0×10^23個あるということになり、これは、水1molに対して、酸素原子が1molあるということになります。

 つまるところ、水のモル=酸素原子のモルとなるため、酸素原子も20molとなる。そのため、

20×6.0×10^23

=120×10^23

=1.2×10^25

なので、酸素原子は1.2×10^25個となります。

③総中性子の数

 まず原子一つ一つの中性子の数ってどうやって求めるかわかりますか?中性子の求め方ですが、

原子量(整数)ー陽子=中性子

となります。また、陽子の数は原子番号となります。では総中性子数を求めていきましょう。

 総中性子数は言ってしまえば、水素原子や酸素原子の数を求めたように求めることが出来ます。なぜなら、水素原子や酸素原子の数は、水分子の数に依存していて、中性子はそれぞれの原子のなかに、同位体というものを無視すれば、一定の数あるので、総中性子数はその水分子の数に依存している水素原子や酸素原子の数に依存します。つまり、

水素原子の数×水素原子の中性子数+酸素原子の数×酸素原子の中性子

で求めることが出来ます。なので、それぞれの中性子数を求め、そこから上の式に当てはめて、総中性子量を求めていきます。

 先に水素の中性子数を求めましょう。水素の原子番号も原子量もそれぞれ1です。すなわち、

1-1=0

 なので、水素の中性子数はとなります。

 次に酸素の中性子数を求めましょう。酸素の原子番号は8番で、原子量は16です。なので、

16-8=8

 なので、酸素の中性子数はとなります。

 そして、総中性子数は

水素原子の数×水素原子の中性子数+酸素原子の数×酸素原子の中性子

2.4×10^25×0+1.2×10^25×8

9.6×10^25

となるため、総中性子数は9.6×10^25となります。

④共有電子対の数

 まず共有電子対の確認ですが、共有電子対というのは、二つの原子がそれぞれもつ電子を共有し合って、出来た組です。想像しやすく言いますと、電子を人として、人と人が手を繋いでくっついている時に、手が繋がっている部分が共有電子対であるよってことです。

 そして、共有電子対の数も今まで解いてきたように解くことが出来て、以下のような式になります。

水分子数×一分子における共有電子対の数=共有電子対の数

となります。なので、一分子における共有電子対を数えましょう。

 水素原子の価電子は1(つまり、水素原子には手が1つあると思ってください)で、酸素原子の価電子は6(つまり、酸素原子には手が2つあるとおもってください)なので、水分子のルイス構造式(点のやつ)は以下のようになります。(図ー2)

f:id:science_mondaibot5325:20210521212721p:plain

図ー2

 よって、一つの水分子における共有電子対が2つであることがわかります。そして、水分子数は

20×6.0×10^23

=120×10^23

=1.2×10^25

で、1.2×10^25個なので、

1.2×10^25×2

2.4×10^25

となります。よって、共有電子対は2.4×10^25個あります。

 

わかりましたでしょうか。もしこれでもわからない場合はDMにて聞いてください(リプライや問い合わせでもいいですが、直接返答出来るわけではありません。更新してお伝えします。)。それでは!

 

コラム

 今回の解説みてて、思った事がありませんか?いろいろあると思いますが、中性子の数で、水素原子の中性子の数が0個だったことについて「え?」っと驚きませんでしたか?...少なくとも私は驚きました。なので、水素原子と中性子の数、すなわち、水素原子の同位体の話をします。実は水素原子には中性子数が0なのが普通の水素、中性子数が1なのが重水素中性子数が2なのがトリチウムの3種類の同位体があります。じつはそれぞれ性質が違いまして、特にトリチウムに関しては放射線物質で、発がん性を示します。

 ちなみにそのトリチウムですが、実は核融合発電というのをご存じでしょうか。核融合発電では、トリチウム重水素原子核を融合して、ヘリウムと一つの中性子にして、その時に出た熱エネルギーを電気エネルギーに変換して、発電しますが、その発電量は豊富で、今の発電方法よりも効率的に発電できます。また、安全性も保障されているそうです。とはいえ、核融合するときに耐えれる建材が必要だったり、そもそもとして、研究したりするのに、莫大な費用が掛かりますが...

弱酸・弱塩基の遊離がなぜ起きるのか

 今回は、化学の問題No.3でも記述するということを言った、弱酸・弱塩基の遊離が起こる理由を説明していきます。

弱酸・弱塩基の遊離とは?

 

 そもそも弱酸・弱塩基の遊離とはどういうものなのかと言いますと、

弱酸の遊離の場合は、弱い酸性物質を塩基性物質で中和させてできた塩に、その弱い酸性物質よりも強い酸性物質が混ざると、塩から弱い酸性物質が遊離して、残った塩基性物質は強い酸性物質と中和して、塩になる。弱塩基の遊離の場合も弱い塩基性物質を酸性物質で中和させてできた塩に、その弱い塩基性物質よりも強い塩基性物質が混ざると、塩から弱い塩基性物質が遊離して、残った酸性物質は強い塩基性物質と中和して、塩になります。

例は下の図-1です。

f:id:science_mondaibot5325:20210520123554p:plain

図ー1

 化学の問題No.3では、一言でいうならば不倫とかいって、昼ドラのドロドロ要素を持ってきてしまったので、他の表現としてはトーナメントとか総当たり戦とか、要は強いやつが勝つみたいな感じです(弱肉強食)。酸性物質で、酸として強いやつほど、塩基を勝ち取れる。塩基性物質で、塩基として強い奴ほど、酸を勝ち取れる。そんな感じだと思ってください。俗に言うカースト制度

 

なぜ弱酸・弱塩基の遊離が起きるのか

  本題に入りますね。なぜ弱酸・弱塩基の遊離が起きるのか。

 実は、電離度が関係してくるんです。なので電離度から話していきます。

電離度と弱酸性や弱塩基性について

 本来、酸性であればH^+を、塩基性であればOH^-を水溶液中で放出するわけですよね。しかし、弱酸性や弱塩基性の場合、H^+やOH^-を放出したり、分子に戻ったりするのが同じ速さで起きていて、平衡状態になっています。例えば酢酸の場合、

CH3COOH⇄CH3COO^-+H^+

となっていて、見かけ上変化はしていませんが、常に上の反応式のように行き来してます。つまり、弱酸性や弱塩基性の物質は100溶けたら100分離するっていうわけではなく、常に平衡状態を保っているんです(ちなみに図ー2はCOOHの電離度を0.2とした時の図です。)。

f:id:science_mondaibot5325:20210510195706p:plain

図ー2

 ではなぜそういうことが起きると、弱酸性や弱塩基性の物質は、くっついた状態の方が安定します。しかも、物質というのはなるべく安定した状態を取ろうとします(例えば、希ガスは価電子が0なので、安定するから原子でいるが、他の物質は不安定なので、分子ではないといられない。)。なので、弱酸性や弱塩基性の物質は、ある程度の量はH^+やOH^-を放つけど、それ以上は放とうとしない。(弱酸性や弱塩基性はさびしがりなのかも)だから、弱酸性や弱塩基性の物質は100溶けたら100分離するっていうわけではなく、常に平衡状態を保っているんです。

 電離度と平衡状態について分かったところで、今度は塩と平衡について、説明します。

塩と平衡について

  では塩と平衡について説明しますが、もし、弱酸性の物質に塩基性の物質、もしくは、弱塩基性の物質に酸性の物質を入れてら平衡や塩はどうなるのでしょうか...?

 正解は、以下のような式になります。(今回も酢酸を例として、塩基は水酸化ナトリウム、つまり、Na^+も例とします。)

CH3COONa⇄CH3COO^-+Na^+

 となり、つまり、塩が出来た後でも平衡状態が続いてて、多少電離度が変わっていますが、基本的に弱酸性や弱塩基性の物質から出来た塩は全て電離せず、平衡状態を保ちます。そして、このことは電離度の説明にて出てきた式と塩と平衡の説明で出た式を照らし合わせたら、なぜに近づくことが出来ます。なので、起きる理由を説明していきます。

起きる理由

 さて、ここでも酢酸を例として、塩基は水酸化ナトリウム、つまり、Na^+も例とします。そして、二つの式を持ってきますね。

CH3COOH⇄CH3COO^-+H^+

CH3COONa⇄CH3COO^-+Na^+

 ではここに例として、完全に電離できる塩酸を入れるとしましょう。因みに塩酸の式としては、

HCl→H^++Cl^-

となり、完全に電離していることがわかると思います。ではここで質問です。いまここで、塩酸を加えました。そしたら、H^+が水中で増えました。さて、酢酸の量はどうなるでしょう?

...

...

...

習ったことがあればわかる話(ルシャトリエの原理)ですが、酢酸の量は増えます!その理由としては、さっき持ってきた二つの式の上の式を見てほしいんですけど、もしここで、H^+が増えると、平衡が崩れてしまいますよね。なので、この平衡を崩さないようにするために、CH3COO^-+H^+の反応を速くして、H^+を減らし、酢酸を増やそうとします。しかし、塩になりましたよね。でも、塩と言っても平衡状態、つまり、多少電離しているCH3COO^-を使います。そうすると、下の式もCH3COO^-が減ってしまって、平衡が崩れてしまいますので、CH3COONaが電離するのを速くしてCH3COO^-を増やします。(この時、Na^+が余ってしまうため、これらは塩酸から出たCl^-と塩を形成します。)そして、酢酸CH3COOHが遊離できます。(字が汚くて、読みずらいと思うけど一応まとめてみました図ー3)

f:id:science_mondaibot5325:20210520163005p:plain

図ー3

...見づらいね...でもまとめるとこんな感じ。因みに弱酸・弱塩基同士でもなぜ起きるのかと言うと、弱い方の弱酸・弱塩基の方が、強い方の弱酸・弱塩基よりも、電離してないときの方が安定する(つまり電離しにくい)から、弱い方の弱酸・弱塩基方が遊離して、強い方の弱酸・弱塩基が塩を形成するからである。

 

 なので、弱酸・弱塩基の遊離が起きます!

 

まとめ

 弱酸・弱塩基の遊離が起きるのは電離度が小さければ小さいほど、電離する前が安定するため、自分よりも電離度が大きいものが同じところにくると、遊離するから。となります。

 

 一番わかりやすいと思う言い方としては、弱酸や弱塩基の物質は分子に戻ろうとするからって言った方がわかりやすいかな。(これだと、本題の結論としては物足りないのでまとめのまとめとして書かせていただきました。)

それでは!

化学 問題No.3の解答&解説

※ここは私がツイッターにて出した問題の回答を公開している場所です。まだ問題解いてないよ~っていう人は私のツイッターをご覧ください
私のアカウント→https://twitter.com/bot75098033

 

 今回の問題はセンター化学の問題を元に作成しました。なので、ちょうど受験勉強していて、解いたことがあるという人もいると思いますので、簡単だったと思います。なので、ちょっとだけ変えて、難易度を上げてみました。とはいってもやはり、簡単だったと思いますが...でも、まだ解いたことなかったり、解いたことがあったけど忘れちゃったり、なんだかんだ言ってできなかった人もいると思いますので、解説していきます。

 

 

解説の前に問題と解答を公開します。

解答

[#化学] #問題 No.3 アニリントルエン、フェノール、安息香酸の混合物を分離するために、以下のような操作手順で行った。この時、上層C、下層D、上層Eを答えよ。また、フェノールがサリチル酸であっても分離を出来るかを答えよ。 2017年センター化学・追を参考にして作成。答えは違うので解説有

f:id:science_mondaibot5325:20210519193828p:plain

 

https://twitter.com/bot75098033/status/1394925794569359366

  という問題でしたね。そして前者の答えは

上層C・・・トルエン

下層D・・・アニリン(本当はアニリン塩酸塩ですが、大学受験レベルであれば、アニリンが正解のため、アニリンが正解になります。アニリン塩酸塩と答えた方は、自己判断で、正解か不正解か決めてください。)

上層E・・・フェノール(残った安息香酸が下層Fとなります。また、その時はアニリンのように、安息香酸ナトリウムとなりますが、もし、問題として出した場合、安息香酸が答えとなります。)

で、後者の答えは

出来ない

となります。

解説

 さて、解説に入ります。まずそれぞれの化合物の構造と今回必要なそれぞれの性質を見ていきましょう。

アニリン

アニリンは水に溶けにくいが、弱塩基性を示す物質です。そのため、酸性の物質とよく反応します

f:id:science_mondaibot5325:20210518120355p:plain

アニリン

トルエン

トルエンは水に溶けないため、酸性物質や塩基性物質とほとんど反応しません

f:id:science_mondaibot5325:20210518120726p:plain

トルエン

フェノール

フェノールは水に溶けにくいが、弱酸性を示す物質です。なので、塩基性物質とよく反応します

f:id:science_mondaibot5325:20210518121235p:plain

フェノール

安息香酸

安息香酸は水に溶けにくいが、弱酸性を示す物質です。なので、塩基性物質とよく反応します

f:id:science_mondaibot5325:20210518121705p:plain

安息香酸

また、酸性度の大きさ(酸性としての強さ)は安息香酸>炭酸>フェノールである。

次に操作ごとに見ていきます。では、操作Ⅰから見ていきましょう。

操作1 分液漏斗に混合物のジエチルエーテル溶液と水酸化ナトリウム水溶液をいれて、よく振り混ぜた後に、上層Aと下層Bにわかれた。次に、下層Bのみ取り除いた。」

つまり、混合物に塩基性物質(水酸化ナトリウム水溶液)を混ぜたことになり、また、水にはその塩基性物質と塩基性物質と反応してできた塩は溶けるが、ジエチルエーテルには溶けず、水とジエチルエーテルは溶けないので、塩基性物質と反応する物質を先ほど記述したそれぞれの性質から探すことによって、どの物質が水に溶けて分離したのかがわかります。今回の場合、フェノールと安息香酸ですよね。また、水とジエチルエーテルでは水の方が、比重が大きいので、水に溶けた物質、すなわち、フェノールと安息香酸が下層Bとなります。そして残ったアニリントルエンが、上層Aとなります。

 では、操作2を見ていきましょう。

操作2 操作1にて残した上層Aに十分な量の塩酸を加え、よく振り混ぜた。その後、上層Cと下層Dに分かれた。」

 つまり、上層Aに酸性物質(塩酸)を混ぜたことになり、また、水にはその酸性物質と酸性物質と反応してできた塩は溶けるが、ジエチルエーテルには溶けず、水とジエチルエーテルは溶けないため、酸性物質と反応する物質を先ほど記述したそれぞれの性質から探すことによって、どの物質が水に溶けて分離したのかがわかります。今回の場合、既に上層Aにはアニリントルエンしかなくて、また、酸性物質と反応するのはアニリンです。なので、水に溶けているのはアニリンとなり、水とジエチルエーテルでは水の方が、比重が大きいので、下層Dがアニリンで、残ったトルエンが上層Cとなります。

 では、操作3を見ていきましょう。

 「操作3 操作1にて取り除いた下層Bに塩酸を加え、弱酸性になったことを確認した後、十分な量のNaHCO水溶液を加え、振り混ぜた。その後、上層Eと下層Fに分かれた。」

 ここで思い出してほしいワードがあります。それが弱酸の遊離です。

 ではその弱酸の遊離というのはどういうことかと言いますと、ざっくりというと、

「弱い酸と塩基で出来た塩にその弱い酸よりも強い酸を加えることによって、その弱い酸は塩基から離れ、その離れた塩基と弱い酸よりも強い酸と結合して、塩を形成する」

というものです。まぁ一言でいえば不倫です

  なぜ遊離するのかっていうのは解説が終わったら説明しますが、とりあえず、今回の場合、どのように弱酸の遊離が動くか説明します。

 まず、確認すべきことは下層Bはなんなのかっていう話ですよね。下層Bはフェノール(ナトリウムフェノキシド)と安息香酸(安息香酸ナトリウム)でしたね。これを弱酸性にしてと言いますが、ここで弱酸の遊離が起きています。塩酸は強酸で、フェノールと安息香酸は弱酸でしたね?つまり、塩酸を加えることによって、弱酸の遊離が置きます。よって、フェノールや安息香酸からナトリウムが離れて、フェノールや安息香酸はそのままでは水に溶けにくいため、そのまま水から出てきます。

 ここで、NaHCOを加えるわけですね。ここが重要となります。ではまず、NaHCOはどんな塩なのか...これは、炭酸と水酸化ナトリウムの塩となります。

...あれ?そういえば、先ほど私は炭酸も含めた酸の強さの大小関係を記述したはずですよね...確か

安息香酸>炭酸>フェノール

でしたね?つまり、炭酸よりも安息香酸の方が強い酸ということは、弱酸の遊離が起きるので、炭酸からナトリウムが離れて、安息香酸にナトリウムくっつき、安息香酸ナトリウムになります。しかし、フェノールの場合は、炭酸よりも酸が弱いので、弱酸の遊離が起きないです。なので、フェノールはフェノールのままです。また、水の方が比重が大きいです。なので、上層Eがフェノール(ちなみにフェノールは常温では固体なので、正確には液体ではありません。ちなみに安息香酸同じく。)となり残った下層Fが安息香酸となります。

よって、答えは

上層C・・・トルエン

下層D・・・アニリン

上層E・・・フェノール

です。

 

 そして、もしフェノールをサリチル酸に変えても可能かっていう話ですが、これに関しては、一見サリチル酸を見て下さればわかると思いますが、フェノールと同じ、ヒドロキシ基(ーOH)がありますよね。なので同じように見えますが、よく見てみると、安息香酸と同じ、カルボキシ基(ーCOOH)がありますね。なので、サリチル酸はフェノールよりも強い弱酸で、尚且つ、炭酸よりも強い酸です。

f:id:science_mondaibot5325:20210519142109j:plain

サリチル酸

 つまり操作1で無事、分離出来ても、NaHCOでは弱酸の遊離が出来てしまうため、安息香酸と混ざったままなので、分離が出来ません。よって、出来ないが答えとなります。

 因みに今気づきましたが、作ってる方では、NaHCOの3は下の方に小さめに移ってますが、サイトで見る時は浮いちゃってるんですね...そのうち改善します。

 

なぜ弱酸の遊離は起こるのか?

弱酸・弱塩基の遊離がなぜ起きるのか - 自作問題の解答と解説(たまに科学に関するブログ)

コラム

 さて、今回出てきたサリチル酸に関してですが、風邪薬に使われているのは聞いたことがあります。しかし、このサリチル酸についてですが、弱酸といっても胃にとって、酸として強いということが問題となっています。このままでは、胃によろしくないです。

 そこで、人類は考えた...「ヒドロキシ基をアセチル化して、アセチルサリチル酸にしたら酸としての強さを弱められるのでは?」。そう思ってアセチル化してみた結果、なんと酸としての強さを弱めることが出来ました!ではなぜなのか...

 それは、酸が強いっていうのは水素との電離度が関係していて、水素を離す確率が大きいと酸が強いです。ではアセチルサリチル酸はどうか...実はアセチルサリチル酸自体には分子内水素結合っていうのがカルボキシ基とアセチル基の間で起きています。その水素はカルボキシ基のほうにありますが、その水素が離れることによって、酸性を示します。しかし、水素結合しているときと、水素結合していないときでは、水素結合している時の方がエネルギー的に安定します。つまり、アセチルサリチル酸から水素がサリチル酸の時よりも電離しにくくなっています。なので、酸としての強さを弱めることが出来ました。

 こうして、アセチルサリチル酸アスピリン)は風邪薬として登場することが出来ました(今でもバファリンが取り扱っている)。が、アスピリン喘息があったりと、副作用が強いし、正直人によるけど、風邪薬はロキソプロフェンの方が優秀なのが現実...

化学基礎 問題No.2の解答&解説

※ここは私がツイッターにて出した問題の回答を公開している場所です。まだ問題解いてないよ~っていう人は私のツイッターをご覧ください
私のアカウント→https://twitter.com/bot75098033

 

 今回の問題は酸化還元についての問題を出しましたが、今回はあえて係数を省略しました。理由としましては、酸化還元のイオン式の係数の付け方の理屈を理解してほしいからです。もちろんそこまで高いレベルを目指していないのなら、教科書等を見て、係数を確認してもいいですが、高めのレベルを目指しているのであれば、その理屈を理解しておいても損はないです。

  今回も解説の前に問題と解答を公開します。

解答

[#化学基礎] #問題 No.2 希硫酸による酸性下での過マンガン酸カリウム水溶液30mLに、0.010mol/Lの過酸化水素水を50mL要した。さて、この時の過マンガン酸カリウムのモル濃度はいくつか。ただし、過マンガン酸カリウム過酸化水素水は以下のようなイオン式になるが、係数がなく、未完全である。 

f:id:science_mondaibot5325:20210514165558p:plain

https://twitter.com/bot75098033/status/1392751468575330304

 という問題でしたね。そして、解答は

0.0067mol/L (6.7×10^-3mol/L)

となります。(ちなみに、カッコ内が最適解です。)

解説

 では解説をしますね。まず、有効数字についてですが、No.1でも説明しましたが、有効数字は測定値の内、一番小さい桁数を有効数字としますので、今回の場合は2桁となります。なので、二桁で答えなければいけません。

  さて、本題に入りますが、今回の問題は係数が未記入なので不完全なイオン式です。なので、係数を記入して、イオン式を完成する必要があります。ここでは主に一つの方法を用いて求めます。その方法はこちらです。

  1. まず一番複雑な化合物の係数を1とする。(今回の場合、MnO4^-とH2O2を1とします)
  2. 次に→を中心として、係数を1とした化合物と反対側にある化合物を比べて、それぞれに含まれる原子の数が合うような係数にする。
  3. 残りの化合物をその二つの化合物の原子数と辻褄が合うような係数にする。
  4. イオン式の場合、両辺のイオンに気を付け、電子を付け加え、辻褄があう係数にする。
  5. 一つでも分数がある場合、それらの母数の最小公倍数を全体にかけて、分数をなくす。

というやり方です。これだけではわかりにくいと思うので、過酸化水素過マンガン酸カリウムイオン式をそれぞれ順番に完成させます(図ー1と図ー2)。スマートフォンで閲覧している方は、クリックした後に、拡大することによって見れると思います。

f:id:science_mondaibot5325:20210513121948p:plain

図ー1

f:id:science_mondaibot5325:20210513122013p:plain

図ー2

となります。

 ただ、それぞれのイオン式を完成させただけでは答えを導くことを出来ません。そのため、二つのイオン式を一つのイオン式にする必要があります。

 二つのイオン式にするにはある一つの要素を取り除かなければいけません。その要素というのは電子ですね。ではなぜ電子なのかと言いますと、酸化還元反応式では化学式となり、イオンや電子が登場してはいけないというルールがある上に、酸化還元反応が完全に行われている状態では、イオンや電子が出てこないからです。しかも電子が消せるのはそれぞれのイオン式を合わせる時だけです。

 なので、電子が消えるようにイオン式を合わせていきます。

 まず、それぞれのイオン式(半反応式)の電子の係数の最小公倍数を求めます。(今回の場合は過マンガン酸イオンが5つ、過酸化水素が2つで、その最小公倍数は10となります。)

 そしたら、電子の係数が10となるような数を半反応式の全体に欠けます。(今回の場合は、過マンガン酸カリウムの半反応式に×2を、過酸化水素の半反応式に×5をする。)

 そして、その二つの式を足します。(すなわち連立方程式ですね!)

このように求めることが出来ます。実際にはこんな感じです(図ー3)

f:id:science_mondaibot5325:20210514164545p:plain

図ー3

 さて、ここまで解けたらわかる部分があると思います。それは、過マンガン酸カリウム過酸化水素における、モル比についてです。反応式を見てわかる通り、

過マンガン酸カリウム過酸化水素=2:5

となりますね。つまり、過酸化水素1molに対して、2/5molの過マンガン酸カリウムが反応するということになります。また、酸塩基でモル濃度の求めかた(中和滴定)を学んだと思います。たしか、Ca,Cbをモル濃度、Va,Vbを体積(mL)、A,Bを価数としたとき、

A×Ca×Va/1000=B×Cb×Vb/1000

という式がありましたよね。これを応用してしまえばいいのです。

 今回の場合、価数を係数に置き換えると、辻褄が合いません(例えば、酸塩基の反応式で、H2SO4+2NaOH→Na2SO4+2H2Oのそれぞれの価数は2と1であるのに対して、係数は1と2であり、もし、価数を係数に置き換えて、上記のような式で計算すると、答えが合いません。)。ですが、係数を無視しても、今までの経験上わかると思いますが、辻褄が合いません。なので、両方ともAとBは1として考え、過酸化水素1molに対して、2/5molの過マンガン酸カリウムが反応するということになることから、aを過酸化水素、bを過マンガン酸カリウムとしたとき、過酸化水素のCa×Va/1000という式に2/5をかけると、過マンガン酸カリウムのCb×Vb/1000という式と同じ値になることがわかるため、

2/5×Ca×Va/1000=Cb×Vb/1000

で、求めることが出来ます。よって、

2/5×0.010×50/1000=Cb×30/1000

2×0.010×10=Cb×30

0.2/30=Cb

Cb=0.0066...

Cb≒0.0067  (6.7×10^-3)

となります。よって答えは、0.0067mol/L (6.7×10^-3mol/L)

 

因みに解き方としてはもう一つありまして、電子の方に着目して、図ー1と図ー2より、過酸化水素の電子量が2であるのに対して、過マンガン酸カリウムの電子量が5である。そして、

A×Ca×Va/1000=B×Cb×Vb/1000

の式から、価数の部分を電子量に置き換えて、

2×0.010×50/1000=5×Cb×30/1000

Cb≒0.0067  (6.7×10^-3)

と求めることが出来ます。こっちの方が早いと思いますので、こちらもお勧めします。

 

わかりましたでしょうか。もしこれでもわからない場合はDMにて聞いてください(リプライや問い合わせでもいいですが、直接返答出来るわけではありません。更新してお伝えします。)。それでは!

 

コラム

 今から話すこととしては、生物を習っている人ならわかる話で、しかも私自身の考えですが、皆さんは化学基礎を勉強したうえでどの分野が一番身近にあるものだと思いますか?実はですね、酸化還元なんです。モルとかじゃないのかって言われると、それも一理あると思います。でも私はそっちの方が身近に感じると思います。実は酸化還元は金属はもちろん、私たち生体内でも起きている事なんです。例えば、私たちには細胞っていうのが存在しますよね。その細胞っていうのは呼吸を行います。その呼吸の最中に酸化還元を行っているんです。また、細胞よりも小さなホルモンや酵素等が、酸化還元を行っているんです(全ての酵素やホルモンが酸化還元を行っているわけではありません。また、酵素に関しては酵素自体は変化しない為、正確には還元のみ、もしくは酸化のみです。)。なので、酸化還元は意外と身近にあるんです。

化学 問題No.2の回答&解説

 ※ここは私がツイッターにて出した問題の回答を公開している場所です。まだ問題解いてないよ~っていう人は私のツイッターをご覧ください
私のアカウント→https://twitter.com/bot75098033

 今回の問題は前回に引き続き、理論化学から出題しました。多分ここも苦手な人が多いと思います。なんていったって、化学平衡とか思考問題のオンパレードですからね。ただ、化学を暗記して行って点数を稼いでいるわけではなく、逆に、計算問題が出た方が助かるっていう人にとっては簡単だったかもしれません。あと、センターの最後あたりにでる問題で、ビニロンとかあるじゃないですか。っていうかあるんですけど、正直、化学平衡の方が簡単ですよ...

 さて、今回も解説の前に問題と解答を公開しますね。

解答

[#化学]#問題 No.2  アンモニア水中では、以下のような電離平衡が成立している。水のイオン積を1.00×10^14(mol/L)^2で、アンモニアの電離度>1とし、log2=0.30、log3=0.48としたとき、8.00mol/Lのアンモニア水の㏗を求めよ。

f:id:science_mondaibot5325:20210510192505p:plain

https://twitter.com/bot75098033/status/1391679412987301892

という問題でしたね。そしてこの解答は

pH=12.1

となります。

解説

 では解説をしてきますね。まずこの問題の有効数字は、No.1でも言った通り、測定値の中で一番桁数が少ない桁数を探し、それを有効数字の桁数とするので、3桁となります。なので答えは3桁で答えるのが正解です。

 さて、今回の問題でのpHの求め方を解説していきます。

 まずpHってどのように求めるか確認していきましょう。化学基礎でのpHの求め方は、酸性の場合、10^-n(mol/L)のnの数字がpHでしたよね(10^-3だったらpHは3となる)。塩基性の場合、14から10^-n(mol/l)のnの数字をひいた値がpH、もしくは、10^-14((mol/L)^2)を10^-n(mol/L)で割った値10^-m(mol/L)のmの数字がpHでしたよね(10^-3だったらpHは11となる)。でもこれらは、電離度が1の場合であって、実は、弱酸性や弱塩基性であれば電離度αは0>α>1であり、pHの求め方は濃度に電離度を掛けた値にlogで計算するのである。...え、まって電離度ってなに?っていう疑問が出ると思いますので電離度から説明します。

 電離度というものは簡単に言えば、酸塩基において、水に溶けたときに、どのぐらいイオン化して分離するのか(例えばCOOHだったら、COO^-とH^+に分かれますよね。そして、電離度が0.2だったら、100個のCOOHを水に溶かした時に、80個のCOOHとそれぞれ20個のCOO^-とH^+になります。図-1)そして、電離度が1に近づけば、近づくほどイオン化して、分離されやすく、また、電離度が1になれば強酸や強塩基である。逆に、電離度が0に近づけば近づくほどイオン化しにくく、分離されにくい、また、1未満が弱酸や弱塩基になると言うものです。

f:id:science_mondaibot5325:20210510195706p:plain

図ー1



 電離度についてはなんとなくわかったけど、なんで濃度に電離度かけるのか?っていう疑問が出る人には出るでしょう。でも先ほどの電離度の文をよめばわかる人は分かると思いますが、念のため、説明します。

 電離度というのは「酸塩基において、水に溶けたときに、どのぐらいイオン化して分離するのか」でしたね。またその例から考えると、100個の分子から実際に分離した各々の個数で割って出た値が電離度となりますね(つまり、電離度はほぼ割合みたいなもの)。しかも、H^+の濃度やOH^-の濃度に関しては分離した後のイオンなので、電離度に関与すると考えられますね。つまり、弱酸性や弱塩基性の液体の濃度はそのままH^+やOH^-の濃度として計算できなくて、その計算方法は、電離度を掛けることによって成り立つことがわかるはずです(ほら、1000円の20%OFFとかいうセールありますよね?それでどのぐらい金額が減ってるのか計算するときに、1000円に20%、すなわち、0.2かけてどのぐらい減ってるのかがわかりますよね。電離度もそれと同じことです。)。

 じゃあなぜlogなのか?それは単純に、水素イオンのモル濃度が10^-n、すなわち、0.000・・・1みたいな世界ですのでこのままだと表記しにくいです。なのでlogによって、わざわざ10^-nのような表記をしなくてすみますので。ちなみにここでのlogは底を10としていて、その10は省略してます。これはツイッターでも同じようにしていて、その説明もそっちの方にのっけているため、それを参照に。

 でも、今回の場合電離度は分かっていません。わかっているのはKb、すなわち、平衡定数ですね。しかし、この平衡定数から求めることが出来るのは知っていると思います。しかし、忘れている人もいると思うので図-2にまとめました。(Cをモル濃度とする)

f:id:science_mondaibot5325:20210510213211p:plain

図-2

 こうやって、電解度がわかります。

 では電解度がわかったので、あとはOH^-の濃度を調べて、pHを求めるだけです。これに関しても図-3でまとめてみました。

f:id:science_mondaibot5325:20210510221142p:plain

図ー3

よって、pH=12.1になります。因みに、pOH(pOH=-log[OH^-])を求めてから、14ーpOHで求めることもできます。

 

わかりましたでしょうか。もしこれでもわからない場合はDMにて聞いてください(リプライや問い合わせでもいいですが、直接返答出来るわけではありません。更新してお伝えします。)。それでは!

 

コラム

 今回化学平衡っていうのを主として、問題出しましたが、実は化学の世界には、平衡のほかに、共鳴構造というほとんど似たような構造が平衡のように、何回も切り替わり続けるようなものもあります。その共鳴構造なんですが詳しいことは大学の化学で習うと思いますが、その共鳴構造はなんと、切り替わっているのは電子の位置だけで、分子中の原子(電子を除く)自体は位置も種類もなにも変わりません。それに比べて平衡は分子やイオンが左右で変わっていますね。なので、平衡と共鳴って似ているようでまったく違います。